オーストラリアのホームステイでの水事情
オーストラリアでのホームステイを考えている方にとって、現地の生活で「気をつけること」を事前に知っておくことはとても大切です。
オーストラリアは水資源が貴重な国であり、節水意識が非常に高いことで知られています。そのため、「水の使い方」は日本と大きく異なる場合があります。
- 「水道水は飲めるの?」
- 「シャワーは何分間OK?」
- 「水不足って本当?」
そんな疑問を持つ方のために、この記事ではオーストラリアの水事情について分かりやすくご紹介します。
オーストラリアの水道水は飲める?
【結論】オーストラリアの水道水は基本的にそのまま飲むことができます。
多くのホームステイ先では、フィルター付きのポットやピッチャーに水を入れて冷蔵庫で冷やしており、日中はそれを水筒やタンブラーに入れて持ち歩くのが一般的です。
ただし、地方や田舎など一部の地域では、水道水の浄化が十分でない場合もあります。現地の人には問題がなくても、日本人の体質に合わないことがあります。
そのため、ホームステイ先の人に事前に水道水が飲めるか確認し、不安がある場合はミネラルウォーターなどの飲料水を利用するのがおすすめです。
日本と同様に、飲料水はスーパーやレストランで購入できます。
スーパーで買う場合は、ボトルのサイズが大きくなるほど安くなる傾向があり、600mLのペットボトルは日本と同じくらいの価格帯の1〜2AUDほどで購入できます。
レストランでペットボトルの飲料水を注文したい場合は、以下のように伝えるとよいでしょう:
節水マナー 1: シャワーの時間は短めに
オーストラリアでホームステイをすると、「シャワーは〇分以内にしてくださいね」と言われることがあります。
一般的なシャワー時間の目安は5~10分ですが、特に水を節約している家庭では「5分以内」といった制限があることもあります。
最初は驚くかもしれませんが、これは水道代の節約だけでなく、水資源を守るための習慣として根付いている文化です。
シャワー時間を短縮するコツ
「10分以内でどうやって体を洗えばいいの?」と思うかもしれません。
ですが、ちょっとした工夫でシャワー時間はぐっと短縮できます。
以下の方法を参考にしてみましょう。
| 方法 | 内容 |
| ソープ類を手の届く場所に準備 | シャワーに入る前に、シャンプーやボディソープなどをすぐ使える位置に置いておきましょう。 |
| 泡は一気に洗い流す | 体や髪を洗っている間は水を止め、すべて洗い終えたら一気に流すことで時間も節水も◎。 |
| シャワー中の行動をシンプルに | 例えば、顔は洗面台で洗うなど、シャワー以外の場所でできることは分けて行うとシャワー時間を短縮できます。 |
| オールインワン製品を活用 | リンスインシャンプーやシャンプーとボディーソープが一体になった製品を使うと、洗う手順が減り、時短になります。 |
| ドライシャンプーを使う | 数日に一度はドライシャンプーを利用することで、シャワーの使用時間を大幅に削減できます。オーストラリアの気候はカラっとしてるので、むしろ2日目のほうがいい具合に髪がしっとりする場合もあります。 |
これらの工夫を取り入れれば、短時間のシャワーにも無理なく慣れることができます。
また、日本ではゆっくりお風呂に浸かるのが一般的ですが、オーストラリアの家庭では湯船を使う習慣はほとんどありません。
バスタブはあっても、実際には年に数回しか使わないという家庭も多いです。
バスタイムが恋しくなるかもしれませんが、留学やホームステイ期間中は環境に慣れることも大切です。
ホストファミリーは「節水に協力してくれるゲスト」に対して信頼と安心感を抱きます。
積極的に現地のルールを理解しようとする姿勢が、良好な関係づくりの第一歩です。
ちなみにシャワーに関しては、以下の記事で詳しく解説しております。
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シャワーやお風呂でのマナー
ホームステイ中のシャワーエリアやお風呂で気をつけることを紹介します。
夜遅くのシャワーはホストファミリーや他のゲストに迷惑をかけてしまう可能性があります。
そのため、できるだけ夜10時以降の利用は避けるようにしましょう。
また、日本人の黒髪はオーストラリアの明るいバスルームでは特に目立ちます。
シャワーを浴びたあとには、排水口に残った髪の毛を取り除き、ごみ箱に捨てるなどのちょっとした心がけを大切にしましょう。
オーストラリアでは髪を自然乾燥させる人が多く、ホームステイによってはドライヤーを常備していないこともあります。
そのため、ドライヤーの現地購入や持参が必要になるケースがあります。
日本からドライヤーを持参する場合には、注意が必要です。
必ず製品の電圧表示を確認するようにしましょう。
日本のドライヤーは電圧が100Vのものが主流ですが、オーストラリアの電圧は230V前後のため、「100~240V」と記載された海外対応のものでなければ使用できません。
筆者自身もかつて、日本で使っていたお気に入りのドライヤーをそのまま持ち込み、電源を入れた途端に中が真っ赤になって壊れてしまった経験があります。
※これは非常に危険なため、決して試さないでください。
さらに、オーストラリアの家庭ではバスルームの中にトイレが併設されていることがよくあります。
他の家族やゲストが順番を待っていることもあるため、バスルームの使用はできるだけ短時間で済ませるのが理想です。
ドライヤーを使用する際も、なるべく自分の部屋で使用するなどの配慮を心がけましょう。
節水マナー 2: 洗濯はまとめて行うのが基本
洗濯機は少量で頻繁に回すのではなく、ある程度洗濯物がたまってから週に1~2回ほどまとめて洗うのが一般的です。
洗濯機を利用する際は以下のようなフレーズが参考になります:
このように、ホストファミリーの生活スタイルに合わせた行動を心がけることで、よりスムーズで快適なホームステイ生活を送ることができます。
節水マナー 3: 蛇口はこまめに閉める習慣を
歯磨きや食器洗いの際には、水を出しっぱなしにせず、必要なときだけ使うようにしましょう。
実際、オーストラリアでは節水意識が非常に高く、食器洗剤で洗った後に食器をすすがず、泡が付いたまま拭き取る家庭もあります。
こうした節水の意識は、家庭だけでなく公共の場にも広がっています。
公園や公共トイレには節水型の蛇口やトイレが設置されており、水が自動で止まる仕組みが一般的です。
このような環境に触れることで、オーストラリアの人がどれほど水を大切にしているかを実感できるでしょう。
節水マナー 4: 庭の水やりは最小限に
特に夏場は水やりに制限がある地域も多く、ホストファミリーも節水に気を配っています。
こうした節水の習慣は、単なるルールではなく、環境への配慮や地域全体で水資源を守る取り組みの一環です。
ホームステイ中は、このような文化を尊重し、ホストファミリーの方針に従うことが大切です。
水不足が深刻なオーストラリア
オーストラリアでは、「水は貴重な資源」という意識が日常生活に深く根付いています。
その背景には、オーストラリアが世界でも有数の乾燥した大陸であるという事実があります。
降雨量が少なく、広大な土地に対して水資源が限られているため、節水は国民全体の習慣として定着しているのです。
ホームステイ先でも、家族から「水を大切にしてね」とお願いされることがあります。
これはオーストラリアではごく一般的なことであり、滞在中はこうした文化の一つとして受け入れておくと良いでしょう。
なぜ水不足が深刻なのか?
オーストラリアでここまで水資源が重視される背景には、次のような理由があります。
- 乾燥した気候
オーストラリアと聞くと、美しいビーチや広大な自然を思い浮かべるかもしれませんが、実は大陸の大部分が乾燥した気候帯に属しており、年間を通じて降雨量が非常に少ない地域が広がっています。
特に内陸部では、雨がほとんど降らない年もあり、河川や湖の水位が極端に低下することも珍しくありません。
都市部であっても安定した水供給が難しい地域が数多く存在しています。
- 人口集中と水需要の増加
オーストラリアの人口は、シドニー、メルボルン、ブリスベン、パースといった都市部に集中しています。
これらの都市では、人口増加に伴って水の需要も年々増加しており、特に夏場には気温が40℃を超えることもあるため、飲料水や農業用水、工業用水の消費量が一気に跳ね上がります。
しかし、水資源には限りがあるため、そうした需要に対して十分な供給を維持するのは容易ではありません。
その結果、節水や水の再利用が強く求められる社会となっています。
- 地下水・ダム水への依存
オーストラリアの多くの地域では、生活用水として地下水やダムの水に依存していますが、干ばつが続くと水位が低下し、節水制限が導入されることもあります。
実際に、庭の水やりや車の洗車が禁止されたり、公共施設の噴水が停止されたりといった措置が取られています。
水を「貴重なもの」として扱う意識を
こうした背景から、家庭でも日常的に節水を意識する暮らしが求められています。
政府や自治体も積極的に節水キャンペーンを展開しており、学校でも幼少期から「水を大切に使おう」という教育がなされています。
そのため、現地の人々は自然と水の使い方に配慮した生活スタイルを身につけているのです。
オーストラリアで生活する上では、水を「当たり前に使えるもの」ではなく、「貴重な資源」として扱う意識への切り替えが重要です。
滞在中にこうした背景を知っておくと、ホストファミリーの節水への姿勢も理解しやすくなります。
「なぜシャワーの時間を短くするよう言われるのか」
「なぜ庭の水やりに制限があるのか」
といった疑問も解消され、よりスムーズに現地の生活に馴染めるはずです。
まとめ
オーストラリアでのホームステイでは、「水は貴重な資源」という意識のもと、節水を心がける生活が求められることがあります。
「気をつけることが多くて大変そう」と感じるかもしれませんが、水を大切に使う姿勢は、ホストファミリーとの信頼関係を築くうえでも非常に大切なポイントです。
オーストラリアでのホームステイは、さまざまな学びや体験に満ちたかけがえのない時間となるはずです。
節水という意識を通じて環境にも貢献しながら、オーストラリアでのホームステイ生活を思いきり楽しんでくださいね。